3.各国のウイスキーと種類
今回のブログは、各国のウイスキーとその種類を紹介する。
◆スコットランド(スコッチ)
スコッチ・ウイスキー規則により次のように定義
・原料は水、イースト菌、大麦麦芽などの穀物のみを使用
・糖化から発酵、蒸留をスコットランドにある蒸留所で行う
・蒸留時のアルコール度数は94.8度以下
・容量700リットル以下のオークス樽につめ、スコットランド国内の倉庫で3年以上熟成
・瓶詰めする際に認められている添加物は水と色調整のためのカラメルのみ
・瓶詰めする際のアルコール度数は最低40度
スコッチウイスキーの分類
・シングルモルト
⇒大麦麦芽のみを原料とし、他の蒸留所の原酒を混ぜず、単一の蒸留所で作られた原酒のみを瓶詰めしたウイスキー
・シングルグレーン
⇒トウモロコシ、ライ麦など大麦以外を主原料とし、単一の蒸留所で造られた原酒のみを瓶詰めしたウイスキー。製品化されることは少ない。
・ブレンデッドモルト
⇒いくつかの蒸留所のモルトウイスキー原酒を、混和してから瓶詰めしたウイスキー。製品化されることはシングルグレーン以上に少ない。
・ブレンデッドウイスキー
⇒モルトウイスキーとグレーンウイスキーを混和したもの。味の要になるモルト原酒を中心に、数十種類の原酒がブレンドされる。
アイルランド(アイリッシュウイスキー)
アイリッシュウイスキー規則により次のように定義
・原料は穀物類
・麦芽に含まれる酵素により糖化し、酵母の働きで発行
・蒸留時のアルコール度数は94.8度以下
・木製樽に詰め、アイルランドにある倉庫で3年以上熟成
アイリッシュウイスキーの分類
・ポットスチルウイスキー
⇒大麦麦芽に、未発芽の大麦やオート麦などを混ぜて原料にし、単式蒸留器で3回蒸留する。
・モルトウイスキー
⇒麦芽のみを原料にしたウヰスキーで、シングルモルトアイリッシュウイスキーとも呼ばれる。クーリーでは2回、プッシュミルズでは3回蒸留される。
・グレーンウイスキー
⇒トウモロコシなどを主原料とし、連続式蒸留機で蒸留する。
・ブレンデッドウイスキー
⇒複数のモルト原酒とグレーン原酒を混ぜたもの。
カナダ(カナディアンウイスキー)
カナディアンウイスキー規則により次のように定義
・穀物、モロミを、麦芽などのジアスターゼで糖化し、酵母により発酵させた飲用の蒸留液
・700リットル以下の木製容器で3年以上熟成
・糖化、蒸留、熟成をカナダで行うこと
・瓶詰時のアルコール度数は最低で40度
・カラメル、フレーバリングを添加してもよい
カナディアンウイスキーの分類
・フレーバリングウイスキー
⇒ライ麦、麦芽、大麦麦芽などを原料に、連続式蒸留で蒸留するスパイシーなウイスキー。51%以上ライ麦でカナディアンウイスキー。
・ベースウイスキー
⇒とうもろこしなどを原料に、連続式蒸留で蒸留するクセのないウイスキー。樽貯蔵は3年以上、主に古樽で行われる。
・カナディアンウイスキー
⇒フレーバリングウイスキーとベースウイスキーをブレンドしたもの。バーボンウイスキー、フルーツブランデー、ワインなどが添加されることもある。
アメリカ合衆国(アメリカンウイスキー)
アメリカンウイスキー規則により次のように定義
・原料は穀物で種類によってウイスキーの分類(下記の分類参照)が異なる。穀物を51%以上使用
・蒸留時のアルコール度数は95度以下
・内側を焦がしたオークの新樽に樽詰めして熟成
・樽詰め時のアルコール度数は40度以上62.5度以下
アメリカンウイスキーの分類
・バーボンウイスキー
⇒原料に51%以上のとうもろこしを使い、内側を焦がした新しい樽で熟成させたもの。2年以上熟成させるとストレートバーボンウイスキーになる。
・ライウイスキー
⇒原料に51%以上ライ麦を使い、内側を焦がした新しい樽で熟成させたもの。2年以上熟成させるとストレートライウイスキーになる。
・ホイートウイスキー
⇒原料に51%以上小麦を使い、内側を焦がした新しい樽で熟成させたもの。2年以上熟成させるとストレートホイートウイスキーになる。
・モルトウイスキー
⇒原料に51%以上大麦麦芽を使い、内側を焦がした新しい樽で熟成させたもの。2年以上熟成させるとストレートモルトウイスキーになる。原料に100%以上大麦麦芽を使うとシングルモルトウイスキーになる。
・ライモルトウイスキー
⇒原料に51%以上ライ麦麦芽を使い、内側を焦がした新しい樽で熟成させたもの。2年以上熟成させるとストレートライモルトウイスキーになる。原料に100%以上ライ麦麦芽を使うとシングルライモルトウイスキーになる。
・コーンウイスキー
⇒原料に80%以上のとうもろこしを使い、古樽または内側を焦がしていない樽で2年以上熟成させるとストレートコーンウイスキーになる。
・ブレンデッドウイスキー
⇒上記のストレートウイスキーに、それ以外のウイスキーかスピリッツをブレンドしたもの。ストレートウイスキーは20%以上含んでいなければならない。
日本(ジャパニーズウイスキー)
ジャパニーズウイスキー規則により次のように定義
・原料は穀物
・発芽させた穀類と水を原料として糖化させて、発酵させたアルコール含有物を蒸留したもの
・蒸留時のアルコール度数は95%未満
・添加して良いのはアルコール、スピリッツ、香味料、色素、水
・原酒混和率が10%以上であること
ジャパニーズウイスキーの分類
・モルトウイスキー
⇒大麦麦芽のみを原料に使用し、単式蒸留器で2回蒸留する。
・グレーンウイスキー
⇒大麦麦芽とトウモロコシや小麦などの殻類を原料にし、連続式蒸留器で蒸留する。グレーンウイスキー単体ではほとんど市販されていない。
・ブレンデッドウイスキー
⇒モルトウイスキーとグレーンウイスキーを混ぜたもの。